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コラム

キャリアコンサルタント資格を取得しても役に立たない?現在の仕事が広がる私の活用法

2026.09.30

キャリアコンサルタント資格を取得しても役に立たない。果たしてそうなのでしょうか?
資格を取得すると、従業員や求職者等との面談業務を中心として、活かす方法はあるでしょう。しかし、他にも活かせる方法は考えられます。企業研修や就職支援、大学での授業などへと活動を拡げた私の経験をもとに、現在の仕事や活動に資格をプラスする視点から、その可能性を考えます。

執筆者プロフィール
増田 和芳
TA(ティーチングアシスタント)・講師
国家資格キャリアコンサルタント/産業カウンセラー
金融業や教育研修サービス業等を経て2019年に独立。企業研修や人材育成、キャリアにかかわる業務に20年以上携わっている。大切にしている言葉は「未来には希望がある。あなたには可能性がある。」

キャリアコンサルタント資格を知ったきっかけ

私がキャリアコンサルタント資格を知ったのは、20年以上前のことです。金融業から教育研修サービス業へ転職したのですが、その会社が民間のキャリアコンサルタント養成機関であったことから、キャリアコンサルタント資格(当時は民間資格としてCDAと呼ばれていました)のことを知りました。当時資格取得を目指していたのは、就職や転職の相談に携わる方や、企業の人事部門で働く方が多かったように思います。当時、厚生労働省が策定した第7次職業能力基本計画において、「キャリアコンサルタントを5万人養成する」と示されていて、勤務先では、キャリアコンサルタント養成講座の獲得に力を入れていたと記憶しています。

やがて、キャリアコンサルタント資格を保有する方が徐々に増えてきました。キャリアチェンジをして、キャリアコンサルタントとして仕事をしたいと考える人たちが増える中で、次第にこんな声も聞かれるようになりました。

「キャリアコンサルタントでは食べていけない」
「キャリアコンサルタント資格を取得しても役に立たない」

資格を活かせるかどうかを、生活の糧になるかどうかの視点で捉えている方も一定数いるように思います。 一方で、キャリアコンサルタント資格を生計の手段としてだけではなく、自分の仕事や活動にプラスするものとして捉えると、活かし方が見えてくるかもしれません。

私自身の資格の活かし方

私がキャリアコンサルタント資格を取得したのは13年前です。教育研修サービス会社での仕事に活かすとともに、相手の話をよりよく聴けるようになりたいと思って取得しました。法人営業部門のマネージャーとしての仕事を経て、コンサルティング会社に転職しました。国家資格化に伴って国家資格キャリアコンサルタントとして登録したものの、資格を活かした仕事はほとんど行っていませんでした。

2019年にUターンして独立してからは、キャリアコンサルタントの資格を活かした仕事に少しずつ携わるようになりました。厚生労働省の事業では、在職者向けのキャリアコンサルティングやセルフ・キャリアドック導入支援(企業が従業員一人ひとりのキャリア形成を定期的に支援する仕組みづくりの支援)にかかわりました。この事業を通じて、4年間で約500名の在職者と面談しました。 そして、そこで出会ったコーディネーターの方から、職業訓練校での就職支援の仕事をご紹介いただき、2023年から携わっています。就職を目指す訓練生の話を聴き、ジョブ・カード(職務経歴や希望などを整理し、キャリアを見つめ直すための書式)を用いながら、一人ひとりが今後の方向性を考えられるように支援しています。キャリアコンサルティングだけでなく、就職に関するセミナーの講師を担当しています。私にとっては、それまで経験したことのなかった就職支援への挑戦となりました。

資格が活きる、さまざまな場面

2022年には、静岡県内の人材サービス事業者やキャリア支援に関わる方々と連携し、キャリア形成にかかわる事業者による協同組合の設立に携わりました。その協同組合の理事の方からご紹介いただき、静岡産業大学の非常勤講師に就任し、キャリアデザインをテーマとした授業を担当することになりました。学生の就職活動や、仕事について考える授業を展開し、新たな挑戦を続けています。

また、企業研修講師の仕事にも、キャリアコンサルタントとして培った知識や技能が活きています。たとえば、受講者同士の対話を促すグループファシリテーションには、相手の話を聴いて問いかける力が欠かせません。コミュニケーションやキャリアデザイン、マネジメントをテーマとした研修でも、研修会社での就業経験にプラスして、資格取得後に学んで実践してきたことを活かせています。継続的に研修をご発注くださるお客様もいて、資格によって活動の幅を広げる一助になっていると感じます。

ここまで、さまざまな領域での活動を挙げてきました。法令や倫理綱領、守秘義務など、キャリアコンサルタントとして守るべきことに配慮するのはもちろんですが、自身の専門性や経験と結びつけることで、活動の幅を広げていくことは可能だと思います。求職者や在職者との面談に限定せずに、キャリアデザインやキャリア形成支援に関係する場面で、キャリアコンサルタントとして培った知識や技能を活かすことができます。

会社員など、組織に雇用されている方も、自身の仕事に活かせる切り口を見つけられると思います。人事部門や営業部門など、さまざまな職種で働く方が、キャリアコンサルタントとして培った知識や技能を発揮することも、資格を活かす一つの形でしょう。現在の仕事や活動にプラスできれば、それも立派な活かし方だといえるのではないでしょうか。

たとえば、同じ組織で働く従業員との面談、仕事に関する相談、教育研修の企画や実践、地域でのキャリア教育など、活かせる場はさまざまです。自分の知識や技能が役立つ場面を探し、まずは行動してみる。その積み重ねが、結果としてキャリアコンサルタントとしての活動を広げることになり、その価値を社会へ届けることにもつながると思います。

資格取得前から「どう活かすか」を考えてみる

キャリアコンサルタント資格の取得は、自身の仕事の質を高め、新たな成果創出のきっかけになる可能性があるでしょう。活かし方に一つの答えはありません。すでに活動しているキャリアコンサルタントの話を見聞きすることも、自分なりの活かし方を考えるヒントになるでしょう。

できれば資格取得前から、「キャリアコンサルタントとしてどのような活動をしたいのか」をイメージしてみてください。それによって、資格取得に向けたモチベーションも高まるのではないでしょうか。
または、今は目的がはっきり見えていなくても構いません。どのような目的であっても、学びながらその方向性を見いだすこともできるでしょう。

キャリアコンサルタント資格を自分ならどう活かすのか。このコラムが、キャリアコンサルタントとしての活動を考える参考になれば幸いです。
私たちの講座は、講師やTA、事務局スタッフ、そして受講者同士でも対話をする機会が多いと思います。志を同じくして学びたい方々との出会いを楽しみにしております!

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